ブラッカムの爆撃機

リトルシスター妹さんに紹介していただいた本です。


ものすごくざっとしたあらすじを申しますと、
第2次大戦中のイギリス。敵国であるドイツ攻撃のため「ウィンピー」という爆撃機に搭乗する若い乗組員たちの話
です。


イギリス軍の話なので、日本の戦争の話とは少し違う気がしました。なんというか加害者側の視点と言いますか。まあ戦争の最前線にいる人に加害者も被害者もありませんが。
すべて読み終わると戦争反対!と思うのですが単にそれだけではない、
「ただの戦争の話じゃない戦争の話」でした。


戦争の善し悪しはぬきにしても、とても個性的で魅力的なキャラクターと臨場感溢れる描写で、月並みな表現をするならば「自分も乗組員の一人になったような」感覚で読めました。物語も思いもよらぬ方向へと進んでいきます。
この小説に魅せられたあの宮崎駿が、小説の前後に漫画を描いているのですが、その漫画が小説を読むための導入としてとても効果的でした。これを読めば物語にすんなり入ることが出来ます。さすが駿といった感じです。
その中に「ウィンピー」の詳細な図解が描かれていて、文字を追うだけでは頭の中で上手く光景を想像することが出来ない自分は、なんどもその図解を見ながら読んでいました。とても役に立ちました。さすが駿といった感じです。


表題作の他に掲載のされた小説2編も一風変わった話で、おもしろかったです。


それにしても、イギリス人のユーモアというか笑いの感覚ってすごいな〜。戦争中でもくだらないギャグやきわどいジョークを言い合って笑ってるんだもんな。そりゃ勝てないわけだ。



ブラッカムの爆撃機―チャス・マッギルの幽霊/ぼくを作ったもの

ブラッカムの爆撃機―チャス・マッギルの幽霊/ぼくを作ったもの