AMラジオで会いましょう6

もう恐い。恐い恐い恐い。女子恐い。
なんだよ〜。なんであんな目で見てくんだよ〜。
たしかに僕なんか日陰のじめじめした石の裏側にいる虫みたいなもんですよ。
石をひっくり返したらわらわらと逃げ惑いますよ。
でもあそこまで蔑むもんかね。ほんとムシケラ以下の存在を見るようでしたよ。
そりゃあね、たしかにね、ええ。見ましたよ。ちらっと。
例の秘密のアレの花園的なヤツが見えそうだったからね。
しょうがないでしょ。見ますよ。そんな格好してんだからさあ。
でも見えなかったですから!見えてりゃプラマイゼロかもしれないけど、
見えないは見下されるわ。
ちょっとぐらいかわいいからっていい気になりやがって。
ほんとかわいいんだよ。むかつくなぁ。かわいいなあ。でも恐い。超怖い。
あ〜やだやだ。今日はほんといいことない。帰る。


自転車にまたがって立ち漕ぎで坂を登る。
イヤホンから聴こえる掛け合いは、昔話に花を咲かせている。
あいかわらず、あいもかわらずおもしろい。大好き。
これでプラマイゼロ。
じつはちょっと見えてたし。