あるキング

今年は本を、活字をより読もうと思ったのに、「ニシノユキヒコの恋と冒険」以降全然読まずに過ごしていたため、さすがにそれは駄目だろうと思い、図書館で借りて読みました。


伊坂幸太郎著「あるキング」


なぜこの本を選んだかというと、それはズバリ本の厚みです。
そこまでボリュームがなくさっと読める本で冊数を稼ごうと思ったからであります。誰かのおすすめではありません。あしからず。


伊坂さんの作品はいくつか読んだことがあるのですが、どれも「家族」をとてもやさしく描いているな〜と感じていました。
この「あるキング」もそうでした。仙台にあるプロ野球チームの熱狂的なファンである両親から生まれ、そのチームの選手になることを宿命づけられた選ばれた人間のお話です。
ただそれだけではなく、日常のなかに唐突に得体の知れない存在が登場して、読み進めていくうちに違和感を覚え、その違和感が読み終わった後も続くという不思議な話でもありました。「あれ?なんだこれ?」で始まり「あれ?なんだったんだこれ?」という違和感が残るような。
すごく不思議な「あるキング」の物語です。昔読んだ「魔王」と少し似ていたような気もします。
面白い、というよりも興味深い、といった本でしょうか。


僕は自分がそうではないので、美しかったり頭が良かったり、才能にあふれた選ばれた人間は、一体どんなことを考え感じ生きているのか、と想像することがあるのですが、この本を読んで、もしかしたら選ばれた人間の中ではこんなことが起きているのかもしれない、と思いました。

あるキング

あるキング