四畳半王国見聞録

四畳半王国見聞録

四畳半王国見聞録

森見登美彦氏の小説が好きな人間にはたまらない一冊でした。
登美彦氏が描く、ただただ不毛で一切世の中のためにならないことに己の全精力を傾ける阿呆な男子大学生が満載です。男汁が溢れてます。
さらに少し勝ち気で気の強い黒髪の乙女ももちろん登場。阿呆どもを手玉に取ります。取られます。
クソみたいな大学生活を送った自分には共感1割憧れ9割です。
氏の他の作品との関連も多く(僕は結構忘れていましたが)、懐かしのあんな人からおなじみのこんな人まで登場しています。それぞれの物語も複雑にこんがらがっていて、まさにパラレル四畳半ワールド!でした。
「四畳半神話体系」「走れメロス」「有頂天家族」などを読んだ後に読むと、ニヤニヤが止まらないこと受け合い、かと。とてもおもちろいです。


それにしても森見登美彦作品を読むと、ほんと京都に行きたくなります。京大の学生はみんなこんなキャンパスライフを過ごし、京都の街では毎夜毎夜こんな不思議で奇妙な宴が開かれているんだと、夢想してしまいます。
今度「森見登美彦の京都ぐるぐる案内」なる本が出版されるようなので、それを片手に京都の街を散策して、鴨川デルタや百万遍や天狗や達磨や狸や小津や図書館警察や大日本凡人會やらを観てきたいと思います。

森見登美彦の京都ぐるぐる案内

森見登美彦の京都ぐるぐる案内

そして黒髪の乙女と出会う!



見渡すかぎり阿呆ばかり。