どちらにせよ死

実体験を伴う下ネタを話すことになるであろう場、話さなくてはいけない場に童貞が参加するということは、なんの武器も持たずに戦地に赴くことと同じ。
ほぼ確実に死ぬ。唯一助かる方法は、ことさらそれを大げさに吹聴し注目を集め自分は敵ではないと認識されること。
しかしそれはせせこましいプライドが邪魔をしてできない。できるわけがない。そんな度胸も強いハートも持ち合わせていない。
結果、戦場に向かうことをどうにかして回避するようになる。醤油を一気飲みして徴兵を免れた人がいたのかどうかは知らないが、きっとその人と同じような気持ちで、とにかく戦場には行きたくない。だって死にたくないから。
そして合コンやら飲み会やらその他男女が出会いを求めるあらゆる場所に行くことができなくなる。世間と隔離されて生きていくことになる。社会性と引き換えに命は助かるけれど・・・。


では童貞じゃなくなれば戦地=実体験を伴う下ネタを話す場に意気揚々と馳せ参じることができるのかと言えば、そうとも限らない。いや、結局のところ戦火に巻き込まれたらただただ隅っこに丸まって誰にも気付かれないことを祈ってしずかに息をひそめているしかない。
だって、童貞じゃないことを宣言することは、今まで童貞だったことをカミングアウトすることだから。
やっぱりこれも自尊心をいちじるしく傷つける。


めんどくさいめんどくさいめんどくさいめんどくさい!
そんな気持ち悪いプライド捨てちゃえよと思う。強く思う。


ただただ奇跡に感謝して生きていきたい。